連載 OBSTETRIC NEWS
尿失禁,便失禁:分娩の影響
武久 徹
pp.952-954
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
帝王切開(帝切)を比較的安全に減少させる最も有効な方法は,難産の取り扱いといわれている.また,従来からいわれてきた分娩第2期は,未産婦の場合は2〜3時間(経産婦は1〜2時間,ただし硬膜外麻酔を採用している場合はそれぞれプラス1時間)の経過観察が可能という「標準的管理」に疑問が持たれ,「厳重に母児が監視されていれば」さらに長時間の観察が可能という研究結果(OG 49:266,1977;J Reprod Med 35:229,1990;BJOG 99:381,1992)も示されはじめ,とくにマニトバで行われた研究で,分娩第2期の経過観察は6時間は可能と報告されている(AJOG173:906,1995).
しかし,これらの研究は児の予後と母体罹患(出血や発熱など)の面から検討されただけで,尿失禁,便失禁,子宮脱などの母体の骨盤底の損傷の問題は検討されていない.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.