看護遊学記—日本をとびだす・5
ドイツの主婦の生活
倉舗 桂子
1
1白十字会村山サナトリウム
pp.106-107
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914582
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バーデン・ビュテンベルグ州の首都,シュトットガルトの一家庭で3か月の間,ドイツの家庭生活を経験しました。この家は,設計士のご主人と写真家の奥さん,それに5歳の女の子と9か月の男の子の4人暮しでした。ご夫妻とも日本に住んでいたことがあり,日本で生まれた女の子は,ベアトリス・ユリコと二つの名前を持っていました。
ドイツの婦人は家政がうまいとよく言われます。彼らも家政に関しては自信を持っているらしく,後に私がパリを見物した帰り,ある婦人にうっとりと,「パリの女性はきれいだったわ。」とほめたら,「あなたは台所も見て来たかね。」とやられました。一方,ある時ロンドンから帰り,ドイツの男性に,「イギリスの男性って親切よ。エアー・ポートからホテルまで次々と幾人かの男性が私のカバンを持ってくれたのよ。」と言うと,彼は大いにイキリ立ち,「じゃ,イギリスの男と結婚してみるがよい。彼らはどんなに家庭では悪い亭主になるかわかるから。」と言うのです。とにかく,こうした言葉は他国人,ましてやヨーロッパ以外の人間には彼らが真剣であればあるだけ,ただ吹き出してしまいます。
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