視座
いつも笑って前向きに
松山 幸弘
1
1浜松医科大学整形外科
pp.979-980
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101829
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人は気持ち次第で幸福にも不幸にもなれます.たとえ損をしても「いい授業料を払った」と思えばいいんです.「人生苦労や失敗はあたりまえ.ならばいつも笑顔で柔軟に生きて行こう」斎藤茂太先生,人生の達人は楽ラク人生術を「しあわせ講話集」として語られている.「100%を望まなくていい」「なんとかなるさ」の言葉もそうであるが,なんだか自分の人生を肯定してくれているようで,心がホッとし,なんともいえぬ安心感を与えてくれる.斎藤先生は,大正5年東京生まれで,父親は歌人で精神科医であり,さぞかし幸せな人生を送ってこられたかのように思えるが,どうもそうではなく,29歳時に戦争で病院,家族を失い,借金だけ残った波瀾万丈の人生だったようだ.
私たち脊椎脊髄外科医も決して楽ではない.患者さんは痛みで苦しみ,治療で改善すればよいが,結果が伴わず慢性の難治性疼痛が残ってしまう場合もある.このような痛みが半年,1年,さらにはもっと長期にわたって継続していけば,身体表現性の精神障害が生じてもおかしくはない.このような患者さんにたずさわることは,特に脊椎脊髄外科医を継続している限り避けては通れない.どのように対応するのがよいのであろうか?
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