連載 率直なる自己・その4
精神衛生を看護にとり入れよう
早坂 泰次郎
1
,
鈴木 育三
2
1立教大学社会学部
2立教大学実存心理学
pp.99-102
発行日 1968年1月1日
Published Date 1968/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913858
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この章で,著者ジャラードは,医療や看護に対して,一般の人びとが抱いている不満足感,非人格的な処遇,敵意などを解消する一つの方法として,看護教育の教育課程に《自己開示》Self-disclosureの概念を導入し,生理学的概念がすでに医療において統合化されているように,心理学,精神医学の諸概念をそれに加えて統合を図ろうと独自の提案をしている。以下,著者の論を追って紹介しよう。
「健康の問題を専門領域とする教育者たちは,専門職としての実践行動の質を改善しようとする新しい方向を求めて,心理学,社会学,人間学,精神医学の各分野から基礎教育課程にそれらを統合した概念を組み入れようとしてきました。疑いもなく,この関心は専門家,患者のどちらからも生まれた専門的な看護の非人格的な性格に対する不満の結果なのです。この章で,第1に取り扱う専門職,医療と看護は,こうした統合化に関連して深い根拠があります。私はここで,精神医学の経験を基礎として,次第に深まっていくある種の確信について述べたいと思う。すなわち患者の自己と医師一患者,看護婦一患者関係の性質が病気と回復との要因となっているということです。」「看護学校での私の仕事中に,精神衛生と精神医学の概念の統合化の問題に内在している問題を自問したことがあります。
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