Medical Scope
妊娠中の超音波断層法による胎児診断に胎児の動きがとり入れられるようになった
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.365
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206636
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胎児の診断,ことに超音波断層法による胎児の画像診断はこの数年間に飛躍的な進歩をとげました。諸君もいろいろな雑誌や学会での発表から,妊娠何週でこんな奇形胎児の早期診断ができました,というニュースを数多く耳にしていることでしょう。
最近では,この超音波断層法によって,胎児の姿を一枚の画像に描き出し,その形態的な変化をみることによって,胎児の成熟度であるとか,器官の奇形や異常を診断するといういわば静的な一枚の絵からの診断に加えて,胎児が羊水中で行なういろいろな動作や動きを画面にとらえ,これをみて胎児の成熟度や異常を診断しようという考え方が出てきました。1つには,ビデオが普及してきたことにより,今までは単に一瞬間の胎児のす早い動きを私たちの眼で実際にみることしかできなかったのが,永久に記録することが可能となったこともあります。
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