文学
本格的な大河小説—芹沢光治良「人間の運命」
平山 城児
1
1立教大学文学部
pp.110-111
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913764
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なん日間かをかけて,今,この長い小説の第1部だけを読みおえたところである。もちろん,この小説だけをよむのに,すべての時間を費したのではないから,なん日間もかかったというのは大げさにきこえるかも知れない。しかし,第1部だけでも優に3000枚は越えるだろうと思われる大作である。それだけでも,そう手軽に読める分量ではない。そのうえ,題材や主人公の性格から考えてもそうそう,気楽に読める作品ではない。そうしたさまざまの原因もあって,この作品を読みとおすには随分抵抗を感じたものである。
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