医療の焦点
二本立の医療費
水野 肇
pp.92-93
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913666
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日本の医療は,とうとう“応仁の乱”になってしまった。5月1日からは,医療の料金が,まるで映画の興業のように二本立てになった。国民のうち23万人は値上げ前の料金で,残りの9千何百万人は新料金で支払うという東京地裁の決定が下りたからである。スーパー・マーケットに行って,同じリンゴを買うのに,美人にだけは9.5%安く売るようなものである。三権分立だから,裁判の結果を批判するのは筋ちがいではあろう。しかし,ここまで問題をこじらせた政府の責任は,ほんとうなら総辞職ものであろう。
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