医療の焦点
医療費問題の底流
水野 肇
pp.90-91
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913567
- 有料閲覧
- 文献概要
医療費問題は,いぜんとしてもめつづけている。厚生大臣の職権告示が,とうとう国会の問題 佐藤内閣の当面する内政の焦点にさえなっている。恐らく,この問題はそうかんたんには片づかないだろう。中央医療協の再開は,いまのところ,いつのことかわからない。下手をすれば,内閣改造で,神田厚相がやめるまで再開されないかも知れない。
このように,9.5%のアップをめぐって,もめつづけていることは,皮肉ないい方をすれば,国民に医療問題の重要性をPRしていることにもなって,いい面もあるが,反対にドロ沼のような医療費問題だけがクローズ・アップされて,みにくいものだけが国民に印象づけられて,肝心の問題点や本質が見失なわれてしまうのではないかとも思われる。そこで,今回は,医療費の底を流れる問題に少し焦点を当ててみよう。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.