看護□食事療法
糖尿病の食事療法
宮川 哲子
1
1虎ノ門病院栄養部
pp.80
発行日 1965年6月1日
Published Date 1965/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913629
- 有料閲覧
- 文献概要
Ⅰ 食事療法の方針
糖尿病の食事の原則は(イ)糖尿を少なくするために含水炭素を制限、(ロ)少食にするということが昔からいわれていますが、最も大切なことは、“バランスのとれた栄養”で食物の全量をガッチリしたワクにしたいこと、そのワクを不動のワクとして間食や果物もこのなかで摂るということです。要約すると昔の食事療法は糖分を目の仇にし糖尿を起こしやすい食品かどうかで、食べてよい食品と食べてはいけない食品とに区別していました。
現在は糖尿をそれほどやかましくいわず、それよりも体の内部の運転状態がどういう具合であるかが重大視されるようになって、「食べてはいけないという食品はなく」体の状態をよい状態にして合併症が起こらないように注意していくことです。食事療法は長くつづけられるのでなければ無意味なのです。食物の全量の制限が大切なことは昔から一貫して主張されていますが、昔はややもすると米飯を制限するとその代りに野菜を油でいためたり、卯の花料理(油を入れて)をすすめていましたが、油を使用することはカロリーが増すことで不合理なことです。現在では標準体重までやせるべきとされています。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.