特集 病院給食
虎の門病院における給食管理—糖尿病の食事療法を中心として
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養科
pp.249-256
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201782
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病院における栄養科の業務内容は診療部門と事務部門にわたり非常に多彩なものであります。この二つの部門をよく研究し,把握して上手に動かしてゆくことがよき管理がなされている,といわれるものと考えます。
殊に病院の患者の食事は治療と相俟つてゆくのですべて治療食事となるべきであると考えます。しかし治療食のみになると非常に手数がかかることになるので,その中で一応まとめられるものはまとめて中軸をはずれないようにしてゆくべきです。それが薬局における医師との約束された処方箋と同じように食事も医師と約束して食事せんを決め,いつそのような患者の入院があつても簡単に伝票が動き,それについてのメニューが用意されているようにすれば事務的にも簡素化になると思います。虎の門病院においてもその約束食事せんをきめて動かしていますが,糖尿病の食事が在来のものと大分違つてきており,なお糖尿病教室として毎月1回土曜日に入院したことのある患者,外来の患者,入院している患者が,集つて主任医師の話を聞き,自分の実生活から質問をし,経験談の交換をして治療の一助をなしている教育診療の食事療法をここに紹介いたします。
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