医学講座
輸血の適応と副作用
高橋 隆一
1
1慶応大学医学部血液研究室
pp.42-44
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913583
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1.はじめに
現在種々の疾患の際に広く輸血が行なわれています。しかし,鉄欠乏性貧血に対する鉄,悪性貧血に対するビタミンB12のように,再生不良性貧血,白血病に対する特効薬があらわれたり,各種の凝固因子の合成が可能になれば,輸血の適応はほとんどなくなることでしょう。
それが困難な現在では,やはり輸血にたよる以外に方法はないようです。現在輸血が過度に行なわれている傾向があり,近年種々の副作用が問題となっていますのでここにあらためて,いかなる時に輸血を行なうべきか,いかなる副作用があり,その予防,治療をいかにするべきかをまとめて考えてみたいと思います。
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