増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血副作用
その他の輸血副作用
稲葉 頌一
1
1九州大学医学部附属病院輸血部
pp.275-278
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903157
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はじめに
HCV(C型肝炎ウイルス)抗体スクリーニングの開発以来,わが国の輸血用血液の安全性は非常に高くなったと評価されている.しかし,輸血において患者が死亡するようなトラブルが今なお数多く存在している1).その内容は実際には事故・合併症といったものが多数含まれており,これらを輸血副作用と総称したものであった.実際の臨床現場では取り扱い上の不備による事故の報告が後を絶たない.また,大量輸血のように救命のためにやむを得ず投与された結果,続発する合併症もいくつか知られている.
本稿では日ごろ重視されていないこれらの問題について簡単に述べることとする.
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