Nursing Study
講評 観察の段階から看護に生かす段階へ
本誌看護研究委員会
pp.107-108
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913261
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この報告文を読み,観察事項の統一と記録の客観化をはかられたことは,看護者の質の格差がある場合,教育ということも含めて必要なことであったことと思う。特に(+)(⧺)の記号で表わす記載法をとった場合,(+)(⧺)の限界をはっきりさせておかないと客観化と思った記録が実は最も主観的なものであったりすることもあり得る。この点も,第2回目の観察記録表では規定を作っておられるのでよいことだと思う。私は報告者の病院の看護スタッフの質の点については無知に等しいが,もし頭部外科患者の観察点をこのような形式の用紙を用いなければならない状態であるなら,用紙中の項目の看護の要点の欄に「気道の確保」とか「輸液の管理」というような記載法で全ての看護者の行なう看護の内容が一致しているのかと考えさせられた。また用紙の形式の上からも看護の要点以外のところは一番上の項目,すなわち生体徴候の観察時間に合わせて記載されているが,看護の要点の項は時間と関係ないということになっている。この用紙を観察記録とするならば,看護の要点の項目をなくしてしまい,その他の観察事項として,輸液の速度,酸素吸入の状態など適宜観察すべき項目をたてて,その観察したことを記載するようにしてはどうか。
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