Nursing Study
頭部患者の観察記録について
池田 すま子
1
,
田中 松子
1
,
渡辺 千代子
1
,
辻井 登美子
1
,
村田 和美
1
,
杉田 八重子
1
,
伊藤 亮子
1
1三重県立大学医学部付属病院外科病棟
pp.104-107
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913260
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近年,頻発する交通災害に伴い頭部外傷の増加は著しいものがある。さらに医学の進歩とともに脳神経外科はめざましく発展し,脳腫瘍,脳血管奇形,脳動脈瘤および水頭症などの手術適応件数も急激な増加がみられる。すなわち表1に示ずように,昭和40年には77名を占め,昭和41年では121名の頭部疾患患者が入院し,その手術例も25例から42例と増加している。
頭部疾患患者の看護の最も重要なことは,観察に始まり観察に終わる,といっても過言ではないほど高度な観察が必要である。しかし,従来使用している自由記録の様式表2では,観察しえた事項のみを記録に残すことになり,ややもすれば前駆症状は見逃がされ緊急の症状に正しく対処できず,危険にさらす結果となり,強いては死に至らしめることも少なくない。たとえば,創部が完い胃,十二指腸疾患と比較すると,変化の激しいことが全治癒し,健康人と何ら異なることなく生活していた患者が,朝食全量摂取後,突然意識混濁をきたし,数時間後に死亡したという患者の状態変化の激しい1例を経験している。また手術後の経過を腹部疾患,特に症例数の多理解でぎる。(図1-A,図1-B血圧においてはあまり差が認められなかったので省略した)
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