Nursing Study
重症心身障害児とともに生活した1週間の経験
大島 洋子
1
1広島赤十字高等看護学院
pp.98-102
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913125
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はじめに
すべての児童が健やかに生まれ健やかに育てられることは,児童憲章の第1項目に記載されているように,児童福祉の根本的な理念であり,世の親はもちろんのこと国民等しく望んでいるものである。しかしながら,不幸にして先天的にあるいは生後の疾病または障害により,心身に障害を有する児童,中でも特に重症心身障害児に対する各種の国の施策は貧しい。この2〜3年来全国的な盛り上がりをみせている重症心身障害児に対する国民の関心は,マスコミその他によってすでにご承知のことと思う。
私は夏休暇を利用して重症心身障害児とともに生活をする機会を得た。6名の子どもたちと,14名の奉仕者たちとともに軽井沢の山小屋において1週間のキャンプ生活を経験した。この経験から,何を学んだか,何を考えねばならないかに,看護に携わろうとしている者として重症心身障害児に対して恥しいほど無関心であった私は,いやでも関心を持たざるを得なくなった。わずか1週間の経験ではあるが,誰かに伝えたい,というのがこの発表の動機である。
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