看護の潮 ゆたかな人生への出発
看護人生相談—あなたの心の糧に
世代の相違/「いじわるばあさん」の明かるさと率直さ
戸川 エマ
pp.28-29
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913067
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「いじわるばあさん」の魅力
「いじわるばあさん」という漫画をごらんになったことがありますか。私の好きな漫画の一つです。作者は「サザエさん」の長谷川町子さんですが,私は「サザエさん」より,むしろ「いじわるばあさん」において,作者の漫画的才能がますます冴えてきたとさえ思っています。
ここに描かれている「おばあさん」はまことに意地悪で,相手に恥をかかせたり,口惜しがらせたり,ともかく普通の人がしないような行動に出るのですが,よく考えてみるとそうした意地悪ごころというものは,実は誰の胸の中にもひそんでいて,ただあえてそれを実行しないだけのことだと気がつきます。そこがこの漫画の魅力であってあえてできないでいることを,このばあさんが,ズバリとやってのけるところに溜飲がさがる思いがするのです。
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