看護の潮 ゆたかな人生への出発
看護人生相談—あなたの心の糧に
失敗・ミス/積極的な努力と練習で克服
岡 宏子
1
1聖心女子大学
pp.30-31
発行日 1967年3月1日
Published Date 1967/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913068
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ミスが問題になる人,ならぬ人
職場で仕事の上でミスをすることは,いいことでないのは当たり前,しないにこしたことはありません。でも,大小,多少の差はあれ,ミスのまったくない人もないと思います。ただ,「問題になる」ようなミスをしない人と,問題をおこす人との差,初めは同じぐらい失敗していたのに,次第に少なくなっていく人とそうでない人,失敗をするとそれが心配で,そのミスをしやすい状態を生む人と,失敗の反省を,次には失敗しないような行為の改善に,積極的に振り替える努力をする人の差,はあるということができるでしょう。
「そうなんです。私は,そのなかの,問題を起こし,またそれが心配で,気になって,努力すればするほど,悪循環の起こるその口なんです」「その上他の人に悪いと思ったり『あの人またやるわよ』なんて思われるだろうと思うだけで,手足がすくんでしまって,すらすらいかなくなってしまうんです」ミスを問題にする人は,口をそろえてこんなふうに訴えます。そして真剣な目つきで,半ばあきらめ顔につけ加えます。「何とかなおしたいと思うんですけど,これ,やっぱり私の性格なんですねえ」と。
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