特集 教員のための看護診断入門
隣接領域の人たちはどうみているか
初心者からの率直な意見と感想
宮本 尚彦
1
1市立川崎病院
pp.678-679
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900916
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この原稿の依頼は,私が看護診断をどう思い,また,看護診断をめぐる看護界の動きが医師としてどう写っているか? とのことですが,私は看護診断の実際の使用経験はなく,困ったなと思いました.しかし,以前からPOSを積極的に行なってきたので,看護診断には興味を持ち,本で勉強をしていました.そこで今回は,その勉強したことと,第1回と第4回看護診断研究会での経験から初心者なりの率直な意見と感想を言わせて頂きます.
私が,看護診断を勉強して初めに思ったことは,看護診断は,私の恩師である林茂先生が『わかりやすいPOS』の中で述べている,ナーシングポイントを用いた問題リストと非常に良く似ているということです.ナーシングポイントを用いた問題リストは,PESの構造になっています.つまり,患者の問題となる症状がナーシングポイントとしてあり,その原因となる医学診断名があるので,今までの看護のやり方に少し改良を加えるだけで,初期計画がたてやすく,看護の姿勢が見えて,患者に応じた個別化が実践できる,という点が看護診断のやり方と良く似ているのです.だから,看護診断も次に述べるような問題点が克服されれば,看護婦さんのこれからの活動に非常に役に立つと思います.
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