かたらい
正看にも研修の場を
西川 ユリコ
1
1国立療養所東京病院
pp.101
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912712
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看護学雑誌1月号「声特集・准看護婦の私」を読んで,日頃感じている准看護婦より,むしろ哀れな正看と呼ばれる旧制度の看護婦の意見も訴えてみたいと思います。旧制度とは申せ正規の養成所または学校の専門教育を受けてきた私たち正看,なかでも「旧制女学校卒業後3年間の専門教育を受けた者」も含めて,現在では正看と新しい制度の高校卒業後3年間の専門教育を受けた人たちの高看とに差がつけられております。准看の人たちの仕事の上での差別をなくして……みんなが同等に働けるように……等々の記事を読んで考えさせられるものは正看と呼ばれている旧制度の教育を受けた私たちのもつ思いです。日進月歩の医学の繁栄のかげに取り残された医療制度の諸問題に加えて,看護婦制度の複雑さ,現場の看護婦不足の現実に矛盾を感じないではいられません。
私事で恐縮ですが,旧制度の看護婦養成所2年,助産婦学校2年の課程を経て地方の総合病院で,15年の臨床経験をもつ私が,事情あり上京,研究所までもつTB単科の病院に就職して受けた私の待遇は准看より低いものでした。釈然としないものでその理由を問い正してみると,あくまでも旧制度による免許に準じた格付けだとの言葉でした。一方臨床面についてはTBの経験のない私でしたので,胸部外科に飛びこむのに躊躇してその旨申出ると,貴女の経験は貴重です。
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