特集 病院の長期療養サービス
人はどこで亡くなるのが最も幸せか
死の看とりと長期療養の場の課題
山崎 摩耶
1
1帝京平成短期大学
pp.954-957
発行日 1993年11月1日
Published Date 1993/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900494
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はじめに
本特集は「病院の長期療養サービス」である.企画の意図は長期療養の施設体系の整備と,そのサービスの質の向上という課題について各方面から焦点をあてて論じる,ということのようである.その一つとして筆者に課せられたのは,「人はどこで亡くなるのが最も幸せか」というテーマである.
「どこで亡くなるのが幸せか」という問いは,いとも個人的な問題であり,その人・個々人の人生観や死生観に左右され,またはその臨死に至った状況と条件によっても異なってくる.しかし,現実にはターミナルケアは,高齢化社会の医療・看護・介護になげかけられた大きな課題である.なぜならば,94%もの日本人が「畳の上の死」を求めている(82年内閣総理大臣官房老人対策室・ついの看とりに関する調査)にもかかわらず,今や施設死は8割と圧倒的多くの市民が病院で死を迎えているのである.
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