特集 地域とつながる看護教育
教育の場としての看多機の魅力
福田 裕子
1
1まちのナースステーション八千代
pp.332-338
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201939
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
皆さんは「看多機」をご存じですか? 看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)は2012(平成24)年度介護報酬改定で制定されたサービスで、「訪問看護」と「小規模多機能型居宅介護」を組み合わせて提供する「複合型サービス」として誕生しました。2015(平成27)年度にはサービス内容をよりわかりやすくするために、「複合型サービス」から「看護小規模多機能型居宅介護」という名称に変更され、現在看多機を提供する事業所は全国で744あります1)。まだ看多機がない市区町村もありますが、地域包括ケアでの大きな役割を担うサービスとして期待されています。
まちのナースステーション八千代(以下、当事業所)は、訪問看護ステーションとして運営していたところに看多機のサービスを拡充しました。ステーション開設時より看護学生の実習を受け入れており、看多機開始後は、学生が小児や精神疾患をもつ方での実習を希望しない限り、看多機の利用者を担当してもらっています。その理由は、看多機では訪問看護・訪問介護・通い・泊まりのすべてに多職種でかかわることを学べるからです。さまざまなかたちのサービスを提供する看多機は、在宅ケアの縮図であるといえます。看多機での実習は在宅ケアの全体像をみることができ、地域包括ケアを学生のときに学べる貴重な場だと感じています。今回はその実習の実際についてご紹介します。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.