特集 職場環境と健康管理—産業看護の課題
職場での生活改善指導
飯島 美世子
1
Miyoko IIJIMA
1
1健康保健組合連合会保健医療部
pp.485-489
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900609
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■はじめに
近年,健康に関する情報はテレビや新聞,雑誌などを通じて世間に溢れているが,これらの健康情報を一人ひとりの従業員が自分のこととしてとらえているとは言い難い.また,現在の不健康な生活を改めたほうが良いとわかっていても,不適切なライフスタイルを改めるには我慢と根気,強い意志などが必要なところから,ともすると自分の生活習慣を擁護しがちである.
そこで,産業看護に従事するものとしては,公式論でなく,対象者にとって改善が必要な事柄は何であるのか,何が最も優先するのかを見定め,その人の意思を尊重しながら勤務態様や労働環境,職場風土・従業員気質などを考慮し,改善可能となるようにモディファイした文援をすることが大切と思われる.そしてさらに,良いライフスタイルが維持できるように,個人を対象として教育・相談・指導を行うほかに,集団や組織に対してあらゆる機会を利用して働きかけていくことが必要と思われる.
本稿では,これからますます中高年者の割合が増すであろう企業の中で実施してきた,健康管理の一環としての保健指導・健康教育の実情を述べてみたい.
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