ひとやすみ・24
実力と職場環境
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1171
発行日 2007年9月20日
Published Date 2007/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101815
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- 文献概要
一般に外科医は自信家であり,患者さんが集まってくるのは自分が有能であるからだと思っている人が多い.確かに自信を持つことは大切であり,手術という修羅場をくぐり抜けるためには強靭なる精神が必要である.しかし,在職する病院の環境があるからこそ実力以上の能力を発揮できるということも自覚する必要がある.
今から20数年前,医局の人事で某私立病院に勤めていたことがある.病院は整形外科を主体とし,リハビリテーションの患者さんが大多数を占めていた.また,消化器内科の医師が不在なこともあり,手術件数は少なく暇であった.そこで,みずから内視鏡検査や超音波検査を積極的に行った.検査によって胃癌や胆石などが見つかると,手術を勧めた.多くの患者さんは手術に同意してくれた.そしてみずから麻酔をかけ,看護師さんを相手に手術を施行した.
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