講座
頸と肩との訴え
稻垣 克彦
1
1警察病院
pp.32-35
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912492
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先ず頸と肩とはどの範囲をさすかということが問題となる。ここでは頸椎をとりまく部分即ち頭部と胸部との間を頸部といい,胸鎖乳頭筋にはさまれた部分でおとがいまでを前頸部,胸鎖乳頭筋から鎖骨までの部分を側頸部,僧帽筋に相当する部分を後頸部(項部)といい,僧帽筋の第1胸椎の高さから坐位で両肩甲棘を連ねた線(手を自然に下げた形で)との間にある部分から肩関節にかけてひろがる部分を肩と称することにしたい。
この部には上肢及び頭部の自由な運動を許す種々の筋肉が存在し,甲状腺はじめ重要な内分泌腺が表面に近くあり,更に全身約800個のリンパ腺の内300個近くのものがこの部分にあるといわれている。
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