講座
手足の訴え—内科
稻垣 克彦
1
1東京警察病院内科
pp.14-18
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909706
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運動失調
乳幼児が覚束ない歩き方をしているうちに歩行の練習と中枢神経系の発達とが相俟つて漸く確実な歩みをする様になつてくるのは誰しも経験するところである。ところが成人でも中枢神経系に障碍がおこると歩行障碍を生じ,同様な意味で上肢の運動も困難となつてくる。
中枢神経系の一部分に出血があると運動麻痺が起るが半身不随即ち片麻痺は大抵の場合大脳核の内嚢といわれる部分に出血のある際におこり,もし出血が左側にあると右側不随で失語症を伴う。一側単麻痺発生後他側に及べば両麻痺となり,脳室内溢血等重篤の際には四肢麻痺がくる。
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