Nursing Study
薬物アナフィラキシー患者を体験して
中込 幸子
1,2
1豊島区医師会付属准看護婦学校
2稲村医院
pp.97-100
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912258
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1.序文
ショックということばは,私たち医療に従事する者にとっては,真に悪魔のような恐怖感をおこさせる,おそろしいことばであると思います。近ごろ医学,薬学の進歩発展は目ざましいものがありますが,この反面これらのものが原因となって,人体にまたたくまに重大な変化を及ぼし,時にはあらゆる救急処置も空しくついには死に至ることがあるのは,私たちもよく聞くところであり時に新聞の三面記事をにぎわすにいたっては,医療にたずさわるものに,精神的,経済的に致命的打撃を与えることは,周知のことであります。
私は,当医院に勤務以来4年になりますが,この間に数度のショック患者に接し,幸いにして全例救命するのを経験しましたので,ここにその体験を記述して,みなさまのご批判,ご教示を願うしだいであります。
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