特集 今日の耳鼻咽喉科
日常診療に必要な知識
ショック
薬物ショック(アナフィラキシー)
隅田 幸男
1,2,3
1国立福岡中央病院心血管外科
2北里大学泌尿器科
3久留米大学麻酔科
pp.763-766
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208964
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薬物アナフィラキシーショック(以下単にアナフィラキシー)はアレルゲンとその抗体(レアギン=IgE)の反応によって生じるとされている。ショックの中でももつとも恐しい型の一つであり,その治療法には誰もが難渋させられている。本稿では,アナフィラキシーの病態生理は後廻しにして,その治療法から述べていこう。
アナフィラキシーの治療は迅速第一であり最初の5〜10分間の初療が予後を決定的とする。いまある薬物の注射中にショック状態となつたら,とにかく注射中止,駆血帯,アドレナリン筋注または静注,人工呼吸,輸液の5つをさつと行なう。それから以下を読んでいただきたい。治療のポイントは窒息死させないこと,末梢血管の拡張虚脱を改善することの二点である。
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