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ナースと労働
田中 寿美子
pp.14-21
発行日 1963年9月1日
Published Date 1963/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912009
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私は皆さんのように,看護問題についてのベテランではございません。専門家ではないのですが広く働く婦人の問題や男女の関係の問題を専門に研究しておりますので,そういう観点から外部のものの話をきいていただきたいと思います。
ナースを見る社会の目
—ゆがみは正さなければきょう私は東京からたってきまして,先ほど読売新聞を買ってあけましたら,看護婦さんありがとうという特集記事が載っておりました。これによりますと,12日はナイチンゲールの日だということが書いてありました。そして看護婦さんの持っている問題を非常に上手に要約してありました。たとえば高度の専門職業人であるという見出しでもっと世間で理解しましょうと書いてあります。そして小見出しのところに不十分な収入,社会的評価ということが書いてある。ほんとうの評価をもっとされなくちゃいけないということが,書いてあります。それから最後に看護婦としての喜びと期待,看護婦さんも人間らしく大いに楽しめるような人生を送るべきだ,というようなことが書いてあって,たいへんいい記事なんです。しかし私はここに不足なものがあると思ったのです。それはその不十分な収入,祉会的評価,専門職業人であるということをほんとうに認識するのに,どういう努力がされなければならないかということは,あまり書いてないのです。
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