みんなで考えよう—医師と看護婦の関係
医師と看護婦の関係はどうあったらよいか
稲林 智恵子
pp.10-11
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911942
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医師と看護婦の関係—ある事例をめぐっての誌上討論
最近,次のような事件があった。あろ看護婦が整形外科の医師に患者の乳房マッサージについて依頼したところが,その医師がカンカンになって怒った。その怒り方があまりにも激しかったので,病院のなかの問題になってしまったわけであるが,医師のいいぶんは看護婦が医師に指示を出したということらしい。その医師の態度について,あるいはその看護婦の態度については,個人的な人格の問題になるので,ここでは論ずる必要はないと思う。ただ考えさせられたことは,患者をあつかう病院従業者として医師と看護婦はどのような関係にあるべきか,ということである。
その事件に対する病院側(おもに院長)の態度は非常にあいまいであった。もちろん,その医師に対して厳罰という形でことを処すれば,その医師を失うことになりかねないという病院側の不安もうなづけないことはないが,しかし医師の横暴が医師の気分によって爆発的に看護婦や患者に被害を与えているとすれば,その責任は病院側でも担うべきものであろと思う。
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