今月の主題 微量金属
検査と疾患—その動きと考え方・43
水俣病
徳臣 晴比古
1
,
出田 透
1
,
寺本 仁郎
1
,
永田 仁郎
1
1熊本大学・第1内科
pp.791-796
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915516
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医療の究極の目的は疾病の治療である.だれしも1日も早く健康体になりたいと待ち望んでいる.この目的にそうためには病気の正しい把握,すなわち正確な診断をすることが最も重要なことである.似通った症状を呈する多くの疾患,従来余り遭遇しない症状・所見の患者について正しい診断をするのには熟練した診断技術による所見の把握と,これを基本にした予想疾病,更にはその考え方を裏付ける検査が必要である.
最近の医療機器の発達はこの病気へのアプローチ構図をしばしば逆にしてしまっている.体力の衰えた年老いた人が検査,検査と引き回されている光景は大衆の医療への不信感を駆り立てており,大いに反省すべきところである.
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