統計
統計のつかい方
館林 宣夫
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1963年1月1日
Published Date 1963/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911815
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名人上手ともなればカンで判断してピタリとあててしまうかもしれないが,われわれ凡人は統計の結果をたよりに判断する。統計は使い方によってはたいへん役に立つが,使い方がまずいと判断をあやまり,ときには反対の結論を出したりする。
1920年の日本の老衰による死亡率は人口10万対131であったものが,1960年には58になった。このことから老衰はこの40年間に半分以下に減った,と判断したら大間違いである。老衰で死亡したと思われる場合でも,よくしらべてみると,がんであったり,肺炎にかかっていたりする。むかしは老衰として片づけられていた例が,診断技術の向上によって正確になったため見かけ上,老衰がひどく減っただけである。
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