写真でわかる対看護・8
外傷性止血法
小沢 太郎
1
1日本鋼管病院外科
pp.5-12
発行日 1962年11月1日
Published Date 1962/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911768
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外傷に伴う出血は,体外への出血,あるいは体内への出血に関わることなく,適切なる止血処置を講じなければならない。軽度な出血には,とくに処置を行なわずとも,自然に止まるものであるが,多量の失血は,外傷性ショックの誘因となり,体力を消粍せしめ,創傷の予後に及ぼす影響は大きい。しかし一般に外傷における第一線救護の止血は必ずしも満足すべきものが行なわれているとは限らない。創傷救急処置のだいいちは止血を講ずることであって,とくに著しい出血のある場合には,局所の具体的処置よりも,まず止血を中心とした全身状態の管理こそ焦眉の急である。
止血法は大別して応急的(一時的,姑息的)止血法と,終極的(永久的)止血法とがある。応急的止血操作はあくまでも,応急的処置であって,これはすみやに終極的止血へと切り換られなければならない。圧迫法,タンポン法,指圧法,緊縛法などは応急的止血法であって,時には救命的な処置ともなり,また病院等において医師が終極的止血を行なう場合に,臨機に応用して,よき補助的処置として活用されるものである。
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