今月の主題 出血とその対策
吐血・下血
経内視鏡的止血法—レーザー止血法
水島 和雄
1
,
並木 正義
2
Kazuo MIZUSHIMA
1
,
Masayoshi NAMIKI
2
1旭川医科大学・第3内科
2旭川医科大学・内科
pp.772-773
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217157
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レーザーとその止血作用
レーザー(LASER)とは,Light Amplificationby Stimulated Emission of Radiationの略で,輻射光の誘導放出による光の増幅という意味である.1960年,米国のMaimanが最初のレーザー(ルビーレーザー)の発振に成功し,その後,各方面で急速な発展をとげた.レーザー光は普通の光と違い,①単色性(光線のスペクトル幅が狭く,波長が揃っている),②可干渉性(空間的・時間的コヒーレンスがよい),③平行性(光線の広がりが少なく,波の位相も揃っている平行性のある光),④高輝度性(単位面積あたりの光線のエネルギーが高い)などの特性を有している.その作用として,熱作用,光作用,圧力作用,電磁作用など種々のものがあるが,臨床的に用いられているのは主として熱作用である.
レーザーには種々のものがあるが,医学に利用されているのは,気体レーザーである炭酸ガスレーザー,アルゴンレーザーおよび固体レーザーとしてのYAGレーザーである.このうち内視鏡的止血に用いられているのは,アルゴンレーザーとYAGレーザーの2種類であり,これらのレーザー光を出血部位に照射し,その熱凝固作用により止血させようとするものである.
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