——
看護業務の内容—続タイムスタディ批判
田中 恒男
1
1東大
pp.42-44
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911748
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本誌6月号の「看婦護はどんなことをしているか」を読ませてもらって,私なりにいろいろのことを感じた。しかし,その感じを卒直に聞かせてほしいと,編集のH氏から依頼をうけたときには,いささか戸まどわざるを得なかった。正直のところ,あの資料からどんなことがよみとれるかを看護婦の人から聞かせてもらいたいくらいなのである。だが引きうけさせられてみると,いまさらそんなことをいっても手おくれというものであろう。そこで思い切って私なりの感じを書くことにした。とりあげることは,恐らく焦点のずれたものかもしれないが,部外者の意見としてきいてほしい。
実態はわかるが………
あれだけ数字をならべられると,私でもいささかうんざりする。ことに最近ずるくなって,あまり面倒くさい数字の羅列はさけるようになった。目的にそって数字を最小限にあつかってゆこうとするのがこのごろの私なので,あのままでは目うつりがしてとりとめがつかない。“たいへんこまかい仕事の集積で”としかいいようがないのである。とりまとめての批判ということが本誌の要求だったが,あの資料だけでは,各病院とも方法がちがうようで結果をまとめることが無理なように思う。たとえば,内科K病院の資料と,次のTの病院の資料とでは対象の選び方がちがうのだろうか。またH病院では,学生の指導などの記録がないのは,たまたまその対象の人が指導しなかったということなのだろうか。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.