特集 看護業務の向上をさぐる—その検討の中から
Ⅰ.看護業務内容をどう検討するか
タイムスタディは何を教えるか
田中 恒男
1
1東京大学医学部衛生看護学科
pp.26-30
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911646
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護における作業管理という言葉が,ちらほら使われるようになった。ただでさえ少ない看護婦の手で,ますます多くなる看護サービスの要求をみたすためには,今よりももっと効率のよい方法で,質を向上しながら看護してゆくためにとられた対策である。と同時に看護を近代化するための一つの方策でもある。
こうした科学的管理法によって,現状を分析し効率のよい方法にかえ同時に計画的な看護を行なってゆくことは,世界的に要求されていることだとみてよい。目本でもこうした要求にそって,看護労働の実態をつかもうとして,諸所でタイム・スタディが行なわれてきた。しかし,ここに反省しなければならないことが一つある。それは,タイム・スタディには,おのずから一つの限界があるということである。わかりきったことをいうようだが,私の知る限りにおいて,看護領域でのタイム・スタディは,この限界をこした働らきを期待しているようにみえる。それはどんなことか,一つ考えてみよう。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.