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タイム・スタデイによる洗濯業務の検討
佐々木 澄夫
1
1厚生省中国医務出張所
pp.471-477
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201249
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1.はしがき
病院洗濯は物理的,又化学的な方法によつて衣服についている細菌,汚れを除くと共に,純消費生活者である患者を対象としているので,特に地質材料に影響のないよう考慮しなくてはならない。又患者は一般家庭人とちがつて,衣服寝具を24時間の生活の場としているので,洗濯状態とか洗濯運営の適否が患者心理に及ぼす影響の大きいことを思い,洗濯作業に当つては暖い血のかよつた,患者に対するいたわりの気持を常にもつことによつて,患者の療養環境の清潔を保持し,患者の療養効果をより以上にあげることが病院洗濯の目的である。
又地方管理面からは保有機械を最大効率に使用し,最少の資材と最少の人員でもつて,しかも業務従事者に無理をさせることなく,最大の能率と効果をあげることが運営の目標として当然要求されるわけである。1日に洗濯機を1回乃至2回程度しか運転していないとか,1ワツシヤーの洗濯時間に2時間を要していたとか,低温用の洗濯方式に高温用の石鹸を使用していたとか,使用石鹸量が洗濯重量に比較して多過ぎるとか,脱水機の回転数が低下しているために脱水率が悪いとか,或いは回転乾燥機の乾燥に1時間を要していたとか,看護衣1枚のアイロン仕上げ時間に20分を要していたとかいう事例はしばしば見受けられることであつて,洗濯業務の科学的管理が最近重要視される所以である。
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