特集 看護業務の向上をさぐる—その検討の中から
Ⅰ.看護業務内容をどう検討するか
看護手順はなぜ必要か
高橋 百合子
1
1東京逓信病院高等看護学院
pp.35-37
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911648
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I.はじめに
患者の看護をするに当り,正確にかっ安全性の高い合理的な技術によって,誰でもが看護業務を整理し,基本的な看護活動を円滑に遂行するためには,先ず必要なものとして〈看護手順〉が具体的に要求されるであろう。
II.看護手順はなぜ必要か
一つ一つの看護の技術についての具体的な工程〈操作〉が手順であるともいえよう。この手順が正確に作製されていて,誰でもが実施するならば,各科,各種の百人百態の症状を持っ患者さんに対して,一本の太い線を通した徹底した看護業務が行えると思う。(勿論〈手順〉とは各医療施設で十分に研究され,その施設で十分に活用できる具体的な看護技術の工程でなければならないということは言を侯たないものである。)看護手順は,基礎看護および各臨床看護の根底であるとともに,看護婦,看護を学ぶ学生にとっても重要な〈テキスト)ともなるものであると思う。手順が確立していればそれぞれの病院に適当である看護の技術の統一も計ることができるであろう。統一されていることにより,看護婦が勤務交代(配置の)した場合であっても容易に,その環境になじむことができるとともに,その場合の大切な指標ともなりうるものでもあろう。新しい科であっても,月日を俟たずして十分に仕事ができることにより能率と意欲をも高め深めて行けるであろう。総合的には患者の看護に好ましい反映をも,もたらすものでありうる。
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