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家庭に於る老人の看護〔4〕
ドーリン・ノートン
,
東京都養育院養老事業研究会
pp.73-76
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911271
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“予防は治療に優る”とは,古い格言であるが,これは,床ずれについても真実である。床ずれを防ぐには,身体の位置をしばしば変えることが大事であり,又,空気輪や輪型パッドを使つて圧力を軽くし,手・足に寝具の爪みがかからないようにし,圧力を受ける部分を注意することも必要である。被圧痛部の現実の治療としては,まずその個所を十分に洗い,次に石鹸の泡を塗つた手で,まんべんなく,しつかりしたマッサージをする。それから小量のアルコールを手のひらにそそぎ,それが乾くまでマッサージをし,最後にタルカム・パウダーをかける。外の方法は,1週間に2回或いは汚れた時に洗い,そして,毎日シリコン・バリア・クリームを塗ることである。
シーツを替える場合,その間,病人がベッドの外で坐つていることができなければ,汚れたシーツを巻き上げてきれいなシーツをすべり込ませる間,横向きにならせておけばよい。手伝いなしにこれをやるには,病人を支えるためにベッドの側に椅子を置けば,病人がベッドの外に転がり落ちることはない。
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