とびら
人間関係の十戒
金子 光
pp.1
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911251
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「あの人は口ほどでない」とか,「あの人は口ばつかり」とかいうことはしばしばあります。言行不一致ということなのでしようか。なるほどそういわれて改めて自分の周りをよくながめてみますと,理くつをやかましく言う人が,一向にその理くつのように考えたり,行動したりしていないものであつたり,最近口ぐせのようにいわれる業務管理の重要性をとく人が,自分自身の生活管理ができていなかつたりするのを知つて,何とむつかしいことであるかと,しみじみ思います。わけても,お互いが人間として社会生活をいとなむ問に,人間と人間のふれあい,その関係の円滑さのむつかしさを思わないではいられません。自分で自分の気持がわからなくなつたりすることもあるのですから,他人の気持,自分の相手の心持を察して相互の感情を害さないで,スムースに交流するということは,一通りや二通りの努力ではできにくいことです。このむつかしい人間関係をよくするために種々と原理や考え方が研究され,議論されていますが,面倒な理くつは別として,ある時よんだ小冊の中に人間関係の十戒というのがあつて,非常におもしろいと思いましたので御紹介しましよう。お役にたつと思います。
1.人に話しかけなさい。人から気持よく話しかけられるほど,うれしいことはありません。
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