特別記事
ターミナルケアにおける遺族と医療者の認識の違い
岡田 幸代
1
,
富永 理子
1
,
下高 恵子
1
,
難波 末女
1
1国立呉病院ターミナルケア研究会
pp.925-932
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904658
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はじめに
当病院は中国地方におけるがんセンターであり,入院患者の約30%ががん患者である.看護者は看護の基礎はもとより,がんの専門的知識を身につけるとともに,社会のニードや患者個人のニードが変化していく動きに対しても敏感に反応し,適切な対応ができるよう自分自身を磨くことが求められる.
そこで1991年9月,看護部が中心となり「国立呉病院ターミナルケア研究会」を発足した.現状において,終末期の患者に対して看護婦は,精神的ケアを家族に任せてしまい,身体的ケア,医学的処置に追われてしまう傾向にある.一方医師は,患者や家族のニードを十分に取り入れて医療をしているとは限らない.延命することが医師の使命であるという信念がうかがえる場合もある.
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