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福島県立白河高等看護学院
齋藤 三紀子
,
今井 恵子
pp.46-49
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911000
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〔1〕
風薫る5月1日,私達は当学院の第1回入学生として入学し,現在喜びの戴帽式も昨年10月感無量のうちに終了し,早くも第2回入学生を迎え様として居ります。当学院は昨年5月新たに高等厚生学院として発足し第1回生の私達にとりましては何もかも皆な新しいものばかりです。
此所白河は当学院又病院を中心に,左手には西から東にゆるやかに流れる阿武隈川。東に雄大なる阿武隈山脈!!西には秀麗に聳える那須連峰を仰ぎ,この連山は初夏の訪れ迄,雪を残します。白雲も共に茜に映え残雪をあらわに露出された山肌が優美に輝く那須山の頂!!。5月になるとこの残雪ある那須山からも青嶺の香を戴せ私達学院生,又新入生の清く高い理想を荒波にもくじけることなく一筋に適えてくれる様に心やさしく,のどかに漂い初夏の若葉をそよがせます。又学院の前を北から南に貫ぬく国道はその昔参勤交代の一行が,ものものしい行列をなし“みちのく白河の関”を通り「日光」におもむいたと云う城下町にちなんだお話が多々残つて居ります。私達は第1回生であり“思い出”多き高校の学舎を巣立ち,由緒ある当地で,朝な夕なに美しく輝く雄大な那須の頂を仰ぎながら今後の生活に望みをかけて居ります。女性にのみかせられたこの“奉仕的生活”に入り,喜びの中にもやはり行手の多難を痛感致します。
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