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横浜市立高等看護学院
pp.37-40
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910623
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国際港をひかえ,生々と躍動し続ける横浜。エキゾチツクなかおりのたゞよう街々。その中心街,伊勢佐木町の西端から南に数分歩を進めると,華やかな騒音や雑沓からほど遠い落ち着いた雰囲気があたりを包みはじめる。今まで目にちらついていた原色的な色模様が消えて,漠々と広がる風景は底知れぬ陰鬱さをたゝえて,むしろ疲れきつた人間の神経にある種の安らぎをさえ与えてくれる。その一廓に古い伝統に誇る横浜市立大学附属病院が,おかしがたい威厳を保つて堂々とした姿を見せている。
病院の対岸に,春は新緑の木々の間につゝましい桜の花をのぞかせ秋には錦を織りなす小高い山を背景にして,チョコレート色の建物がある。これが私達の修養の場,愛すべき学院である。ナイチンゲールの誓詞にもとづき,立派な看護婦となるよう見守り,励まし育んでくれる学院。私達の生活はこゝで始まり,こゝに終る。
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