口絵
下腿骨折の救急処置
猪狩 依彦
1
1東京都立広尾病院整形外科
pp.1-8
発行日 1958年3月15日
Published Date 1958/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910548
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骨折は単に骨のみの損傷でなく,同時に周囲の筋肉,関節,靱帯等の組織も損傷されているものであり,時には皮膚,血管,神経等の損傷をも伴う。
骨折治療の第一歩はまず救急処置を施すことである。これは止血,疼痛の緩解,2次的骨折転位の防止を目的とし,事故発生地より病院に患者を運搬し,患者を専門医の手にゆだねる間における副損傷の発生を予防する上に必要なことである。もし正しい救急処置を施すことなしに患者を運搬する場合には,骨折発生時よりも症状を更に悪化せしめることが多く,また患者の苦痛は堪え難いものである。
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