特集 乳児の哺育と看護
〔Ⅱ〕異常児
乳児の異常の発見
今村 栄一
1
1国立東京第一病院小児科
pp.89-104
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910098
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I.異常の発見
早期発見,早期治療はすべての病気に必要なことであるが,小児ではとくに必要である。小児,ことに乳児は抵抗力が弱く,疾病の経過が速やかである。変化や症状の現れを速やかに正しくつかまえ,いわゆる「手おくれ」にならないようにしなげればならない。
ことに入院している患児では,病状の変化がおこりやすく,また小児の看護にあたるものは,母親に代つてすべてを委任されているのであつて,患児の異常を早く発見することは看護上重要なことがらである。親がついていたならば……と言われるようなことがあつてはならない。素人では把握しにくい異常を正しく発見するには,すぐれた看護婦の能力を必要とするものである。
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