特集 新生児・乳幼児の対症看護シリーズ"視聴力異常"
聴覚異常と早期発見
十時 晃
1
1日本ろう話学校乳幼児幼稚部
pp.32-37
発行日 1968年6月1日
Published Date 1968/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203576
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はじめに
今までは,耳が遠いということがわかると,何とかして治療しようとし,治療しても直らないとわかると,仕方がないとしてあきらめてしまっていました.そして学齢に達すると,小学校へは行けないということで,ろう学校に入るとか,時には,小学校に入るが,全く相手にされず,皆とは違った子供として扱かわれてしまっていたのです.ですから,特に早く発見しようという努力はなされず,また,耳が遠いのではないかと思ってもそうだという結論はなるべく後へ延ばしていたのです.しかしながら今では,もしも耳が遠いということがわかったなら,いやむしろ,耳が遠いのではないかと考えたら,どんなに小さくても,たとえ生後3週間であったとしても,すぐに教育することができるようになりましたし,また,すぐに教育をはじめるなら,仕方ないなどといって,あきらめる必要は全くなくなりました.
それでは,なぜ,早くから教育を始めなければならないのか,どのようにして発見するか,発見された,耳の遠い子供は,どう扱えばよいのか,聴覚障害はなにが原因か,その予防はできないか,などにつき述べてみます.
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