講座
喘息患者の看護
高久 百合子
pp.10-14
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910030
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喘息患者の特徴
普通喘息と云いますと気管支喘息の事を云つて居ります。気管支喘息は喘鳴,ぜーぜという苦しそうな呼吸をする呼気性呼吸困難でありまして発作性であるのを特徴とします。そしてこの発作は殊に夜間又は早朝に好んで起る事が一番多い様です。患者は発作と発作の間は自覚的にも他覚的にも全く健康な人と少しも変りありません。喘息は遺伝的な素質のある事が多く認められて居りますし又季節,住宅,職業,食餌等にも大きな関係があります事も認められて居ります。
喘息には外因性喘息と云つて過敏症を示す物質を外に持つているもの,(アレルギー性)で家庭内の塵埃の吸入,毛布の羊毛,蒲団の羽毛,皮革動物の垢,発散物,花粉,主婦の取り扱う小麦粉等食餌によるものが多く見られます。小児には鶏,卵,小麦,牛乳,魚肉等に充分気を付けてやらねばなりません。内因性略息,これは過敏物質を体内に持つているもので,直接(アレルゲン)には関係いたしません。その他身体の疲労,精神的な動揺,感情の激動等種種の誘因によつても喘息発作を起します。
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