増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療 アレルギー疾患各論
喘息 加齢と喘息
横山 彰仁
1
1高知大学 医学部血液・呼吸器内科学
キーワード:
加齢
,
喘息
,
抗喘息剤
Keyword:
Aging
,
Asthma
,
Anti-Asthmatic Agents
pp.1063-1066
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097357
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高齢者は加齢に伴う全身機能低下があるが,個人差が大きく多様である.加齢とともに併存症が多くなる(多病性)ため,とくに心不全やCOPD-気管支喘息オーバーラップ症候群(ACOS)など診断・治療に若年者とは異なる点がある.吸入手技,発作時の自己対処法の理解が難しい場合があり,また併存症によりβ刺激薬や抗コリン薬などが使いにくいことがある.また,加齢に伴う視力・聴力・記憶力の低下,関節痛,吸気流速制限などにより,吸入療法が困難になりやすいが,一般にアドヒアランスは若年者より高い.多病性に伴う与薬数の増加による薬物相互作用,および加齢に伴う薬物動態の変化(血中濃度上昇)により,薬剤の副作用が起こりやすい.
©Nankodo Co., Ltd., 2016