講座
喘息の看護
内田 鄕子
1
1聖路加国際病院内科
pp.22-23
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910826
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気管支喘息とは
気管支喘息は経過が長く,発作がくり返され治療は困難とされているもので,気管支喘息の原因は特殊の体質に基く病気であつて,40%は遺伝的な因子が関与していると言われている。これは気管支の攣縮が主となつていて次の二つの機序によつておこるものと考えられている。一つは気管支筋を支配している迷走神経の興奮性が先天的に亢進している場合には,僅かな刺激でも反射的に気管支が攣縮をおこして来る。もう一つはアレルギー現象として惹起される場合とである。
つまり気管支の平滑筋が攣縮して気管支に分布している粘液腺から大量の粘液が分泌されて来る。又気管粘膜の上皮下に局所的の浮腫を生じ,うつ血し気道が閉鎖するため発作性の呼吸困難がおきて,発作時に肺胞内での換気が充分に行われず,CO2の蓄積がおこり強いチアノーゼを起して来るものである。
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