病床児慰安実技講座
お話とお遊び(5)
粟津 実
1
1児童文化財研究所
pp.32-36
発行日 1955年7月15日
Published Date 1955/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909870
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工作コース
年中行事の中で,紙工作がその腕をふるうのは,何といつても7月7日の七夕竹の紙かざりである。もしあの紙飾の材料を布でしたならと思つたことがある。ボイルや紗をつかえばまた別な感覚も出るし,うすいビニールを応用する手もある。しかし何といつても重量感が違うし,紙のサヤサヤとした音は出ない。第一に鋏のサエがきかない。切紙細工の軽快性キレ味が出ない。
七夕笹の おかざりがサヤサヤ サーヤと話してるあの白いのが 天の川いま飛んだのが 使い星七夕笹の 短冊がサヤサヤ サーヤと話してるあの渡るのが 女星岸に待つのが 男星 夏の夜のこの情緒ほど神秘的な童話的なものは少い。毎年たてる七夕竹の下で,私は子供らにかこまれながらコンナ童謡をうたうのである。
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