医学のあゆみ・43
印度蛇木
杉 靖三郞
pp.37
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909850
- 有料閲覧
- 文献概要
印度蛇木は,学名はラウウオルフイア・セルペンチナ(Rauwolfia serpentinaといい,この木の根からは,アルカロイドが10種類あまりも抽出できる。そのアルカロイドの1つにレセルピン(reserpin)というのがあつて,数年前に純粋の結晶として取出され,その化学構造も決定された。
このレセルピンは,高血圧患者の血圧降下剤として重要な作用があることがわかり,去年からいろいろな商品名で売りだされている。今までにも,血圧降下剤と称するものは,あつたが,“大したものではないだろう。またか”と考えて,問題にしない人もあろう。しかしこの藥は,今までの藥とは比較にならぬほど良く効く藥であつて,血圧降下にはあまり効かないこともあるが,一般症状が大いに軽快する。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.